風の鳴る音
既刊情報
制作秘話93
かぐや姫の罪と罰
制作秘話92
竹取物語ネタばれ
制作秘話91
一番大事なこと
制作秘話90
小説家へのルート
制作秘話89
読みやすい小説を書くには
制作秘話88
平氏は本当に滅びたのか(ネタバレ)
制作秘話87
平家物語の名前
制作秘話86
「細かい」仕事
制作秘話85
意外な上達のコツ?
制作秘話84
物語創作最大の難関
過去の制作秘話一覧
中高生むけの作品

既刊の案内と情報はこちら

 

制作秘話 86

《其の八十六》

私が個人的に「細かい」仕事と呼んでいるもので、本が一冊世に出るまでに、原稿を書く以外にしなければならない様々な作業のことです。

本に書かれている文字は、はたしてどれくらいあるでしょうか。
本文以外に。

あとがきはもちろん。
目次・人物紹介・扉(一番初めのタイトルと作者名だけのページ)・奥付(一番最後の出版社の住所や電話番号があるページ)。
このほかにも、カバーの後ろや袖にあるあらすじや作者の紹介、帯のキャッチ(宣伝のための一言)、シリーズや他の本のご案内。

こういったところの文字も、担当編集者さんか作者が手分けして書いているのです!


作者が必ず書くのはあとがきだけですが、たいてい目次や参考資料一覧も作者の作ったデータです。

編集担当さんのお仕事は、あらすじと帯のキャッチ、腕の見せ所です。
作者の紹介文は作者が書く場合と、編集さんが書く場合があります。編集部によって違います。

今度出る「平家物語」は、難しい言葉には校注といって、小さな文字で説明が隅っこに書かれます。私が書きました。
でも「あさきゆめみし」のときは編集部の方で調べて校注を書いてくださいましたし、そのときも「平家物語」も家系図や人物関係図、組織図などを編集さんが作ってくださいました。

ファンタジーだと架空の地図をつけることがありますが、これも原図は作者が書きます。それをデザイナさんがきれいに書きなおしてくださいます。


作者は編集さんやデザイナさんが書いて作ってくれたページをチェックします、ファックスか最近はメール添付で届くので。

他の本のご紹介や新人賞募集は広告なので、編集部お任せです。
実は本のページ数は16p単位でしか変更できないので、どうしてもページがあまったときに広告が入るんですね。私はなるべくがんばってあとがきを書かせていただけるよう、お願いしてますけど。


さらに。作者のたいせつなお仕事、イラストチェックがあります。
私だけでなく、多くの作者が楽しみにしているのが、このイラストチェックです。わくわくします。

まずキャラのデザイン案(ラフ)が、メールかファックスで届きます。
これはときどきおまけで本についていることがあるので、ごらんになったかたもあるかもしれませんね。時海の場合も、業多姫の伍巻につけていただきました。

いくつかある案の中から、一番いいと思ったデザインを伝えます。それをもとに、イラストが描かれます。

イラストが入る位置を決めるのは編集さんのたいせつなお仕事ですが、人によっては作者に「どうしても絵が見たいところって、あります?」とサービスよく聞いてくださることもたまにあります。

このイラストの下書きがまた送られてくるので、文とのずれや間違いがないか作者がチェックします。カバーイラストの下書きもチェックです。


作者が試し刷り(ゲラ)を読んで、誤字脱字日本語文法や内容のミスを修正するのは、以前ご説明しましたね。

さらにさらに。
出版社公式サイトや投げ込み(新刊に挟んであるチラシ)に載せる販売促進のコメントを書いたり、ときにはサイン入りの手描きPOP(書店さんの店頭に置くミニ看板)やペーパー(書店さんで配布するちらし)の手描きメッセージを書きます。
私は「お習字の宿題」と呼んでます……字が下手なので(苦笑)


私はやったことありませんが、ハードカバーの文芸書だと、サイン色紙やサイン本を作ったり、書店さんを営業担当さんと一緒に挨拶回りしたりすることもあるそうです。新聞や雑誌のインタビューに答えたり。

……こんなにもいろいろとやるべきことがあるんですよね。

(C)2005-2017 Yui Tokiumi all rights reserved