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物語のひみつ 3

《その3》

読者のHN若葉さまから、ご質問をメッセージでいただきましたので、こちらでお答えしたいと思います。

「なぜ歴史とくに日本史に興味を持ったのか」

私の母方の祖父が、歴史が好きだったからです。いわゆる「郷土史(きょうどし)研究家」。
会社に勤めるかたわら、古文書(こもんじょ・江戸時代以前に書かれた)の解読をしたり、地域の昔話を聞き集めたりしていました。
初孫だった私に、幼いころからコレクションを読み聞かせて、周囲にあきれられるというタイプ。
おかけで私は小学校5年くらいで、古文書の翻刻(ほんこく)という、江戸時代の人が筆でぐちゃぐちゃと書いたのを現代の活字で紙に打ちなおしたものが、読んで半分くらい意味がわかるようになっていました。

しかも小学校5・6年、中学、高校となぜか社会科の先生ばかりが担任になりました。それも郷土史家。地元のお年よりの昔話を聞くとか、文化祭のクラス発表に地域の歴史を取りあげるとか。
そんな環境で、私は地域農村史に染まってしまったのです。だから日本史といっても、教科書に出てこない地方の農民とか旅の商人が、好きなんです。お殿さまよりも。

さらに、私の通学路には、縄文時代の遺跡がありまして、そこが畑や小さな崖になっていて、土器のかけらや石器のかけらがたまに拾えたんですね。
それを見つけて宝物にして自慢しあうという、ちょっと法律的にはまずいかもしれない(笑)遊びがあったのです。
宝物を見つけたとき、うれしかった!

ということで、大学は考古学専攻か民俗学専攻で受験して、合格したところ……都内私立の考古学専攻がある大学へ入学したのです。
歴史学にしなかったのは、高校の担任の先生が「研究室で古い紙とばっかり向きあっているより、外へ出てフィールドワークをたくさんすると、面白い」とアドバイスしてくれたからだと記憶しています。頭だけ使うより、体を多く使って勉強しろと。
それは私にとっては正しかったと思います。

祖父も高校の担任の先生も、私のデビュー少し前に亡くなってしまいました。
祖父が亡くなったあと、遺品整理をしていた叔父が、チラシの裏に鉛筆でたくさん書かれた、まだまとめていない原稿を見つけました。子どものとき聞いた地域の昔話を、思い出して書いていたようです。
私のお古のワープロ専用機で清書して、広報誌とかに載せていたみたいですが、清書もできていない、最後の方は判読も苦労、読めても意味不明、の紙の束でした。
いつか清書済みの分まで合わせてデータベースにまとめようと、引き受けたのですが……ごめんね、おじいちゃん、きっとやるから、のろまだけどあたしを待っていてね。

なお、祖父が若いころ文学青年で、小説もどきをノートに書いていたと知ったのは、デビュー後のことです。血筋だな、と思いました。

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